フリクション

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僕はふと我に返った。そして、なんてことをしでかしてしまったんだと血の気が引いていくのを感じた。中谷裕子は少し泣いていた気がする。 僕は居ても立ってもいられなくなり、中谷裕子の中から出るや否や、まだ精液にまみれて勃起している息子の上から乱暴にパンツを履き、汗のしみ込んだ体操服をマッハで着なおすと、彼女に一言もかけずに体育館倉庫を飛び出したのだ。怖くて彼女の顔すら見ることができなかった。 走って教室に戻ると僕は制服に着替え、帰りのホームルームも待たずにそのまま教室から飛び出して家に帰った。 そして自分の部屋にこもり、ベッドの上で一人震えていた。 外は真夏の暑さだがクーラーもつけず、僕は汗だくでタオルケットにくるまっていた。 犯罪だ。僕は罪を犯してしまった。レイプ。警察に捕まるのか。刑務所へいくのか。賠償金はいくらだろう。親や友達にも知られる。もう生きていけない。発狂しそうになりながらただただ汗だくで震えていた。 緊張とストレスでどこかで意識が飛んでしまったのか、目が覚めると土曜の昼前になっていた。喉がカラカラだ。僕はリビングに向かい冷蔵庫から麦茶を取り出し、ごくごくと飲み干す。そして、再び昨日しでかしたことを思い出し発狂しそうになる。 夢じゃない。 僕はレイプをした。中谷裕子を強引に犯した。 「裕司、やっと起きたの?」     
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