フリクション

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そして射精し終わった後、ふと、中谷裕子が妊娠していたらどうしようという新たな不安が沸き上がった。僕は中谷裕子の中に出してしまった。レイプ&妊娠というダブルパンチを彼女に与えてしまったかもしれない。うんうん唸って考え続けていると、実は中谷裕子は僕のことが好きで、僕とセックスできたことを喜んでいるのではないか、来週学校で会ったら恋人になっているのではないかなどという都合のよい考えも浮かんできた。彼女と結婚して子供と一緒に仲良く暮らすという意味不明な妄想もしたりした。 そして、そのような感じで土曜は過ぎ、日曜も特に何も起きずに終わろうとしていた。 僕はこの2日間、中谷裕子をレイプしたことで今後自分に起こるであろう悲劇を延々と妄想することに頭脳をフル稼働させており、無駄に疲労が蓄積されていた。 サザエさんを見ながら家族で夕食を囲む。最期の晩餐になるかもしれない。 普段何気なく過ごしている日常に有難みを感じ、少し涙が出そうになった。 サザエさんとのじゃんけんはあいこだった。 そして、ついに月曜の朝が来た。 朝飯も喉を通らず、カバンに教科書を詰め込み学校へ行く準備をするが心ここにあらず。 学校に行きたくない。 病気や体調不良以外でこんな気持ちになったのは初めてだ。 いじめられっ子はこのような気持ちなのだろうかと思った。 ああ僕は今までなんて恵まれていたんだろう、そしてそのことに気づかずになんて怠惰な日々を送っていたんだろうと思い知った。 無情にも時間は止まることはなく、家を出なければならない時間となった。 重い足取りで学校へ向かう。 校門をくぐり、下足箱で上靴に履き替え、2階の教室へ向かう。 教室のドアを開け、窓際へ目を遣ると、中谷裕子の姿が目に入った。     
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