あらすじ

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彼が目を覚ました時、そこは自室だった。 あたりは暗くまるでホラー映画の中に取り残されたようなモノクロの世界 彼は自分の両手をまじまじと見た。 色のない両手。 そして服装はどこか彼女のような、学校に来ていった制服が形容するならいくつかデータが破損して文字化けを起こしたようなそんな装束に変形していた。 自室のドアをぬけてあたりを見渡すと二日会っていなかった彼女の姿がそこにはあった。 あのときの初めて彼女に会った夜の帰りの姿。 廊下の暗い様子の中では自分の体から色が抜けてることは確認できない。 上り框にもたれるようにして彼女は昏倒していて、足元には飲みかけの缶ジュースが転がっていた。 彼女の衣服は初めて異世界で見たあの時の姿そのものだった。 彼女の許に駆け寄り彼女を起こすように頬を叩く。 うなだれるようにして彼女が目を覚ますと少年はちいさく笑った。 彼女は彼に買い物に出かけた日の礼を言ってなにかお返しがしたいと話したが彼は首を横に振った。 充分に何かを受けたと 強いて言うのであればだれかが困っていたら助けてほしいと そして彼女はなにかを思い出した方のように踵を返し扉の方へ向かう。 彼が呼び止めようとしたとき彼女は扉のその先へモノクロの虚空へと消えていった。 彼の話をすると少女がなにもない二色の空気の中へ解けていったとき彼はまた強い眠気に誘われた、心地の良い眠気に
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