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翌日、僕は学校帰り、公園に行った。
あの人はいつも通り、そこに居る。
僕はなるべく自然な雰囲気で、彼女に近づいた。
落し物を探すようなフリをして、彼女の座っているベンチの周りを見渡した。
彼女は相変わらずの無表情で、何も反応は無かった。
もしかして、あの日記を見ていないのかもしれない。
いや、そうだと思う。
普通、怪しむと思うし、例えば気がついても読んだりはしないだろう。
だけど、諦めるように歩き出した時、彼女は僕に言ったんだ。
「見つかんないね」
振り返ると、彼女の手には僕の日記帳があった。
それはまるで、うちわのように扱われている。
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