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「……あ」
彼女は笑った。
「ふふっ、これ、君の?」
僕はごくりと息を飲んで頷いた。実際気がついたとなると緊張してしまう。
「そ、そうです……」
ノートでパタパタと煽った髪をなびかせながら、上目遣いで僕を見つめる。
「わざとでしょ?これ」
「な、何がですか?」
こげ茶色の瞳が夕日を吸い込んで、とても綺麗だった。
その瞳は、僕まで吸い込んでしまいそうで、僕は黙って首を横に振った。
「今日が七夕でしょ?僕、朝から此処に居たんだよね。朝に今日の日記って、なんか変じゃない?」
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