第1話

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   パルムにはその目がまぶしすぎる。そして目がくらんでふらっと態勢を崩す。 シャロン「パルム隊長!?」 パルム「……大丈夫大丈夫。僕としても、そこまで言われちゃ黙ってられない」 シャロン「それじゃあ!」    パルム、頷く。 パルム「シャロン隊員、出動。魔術部隊の初パトロールだ」 シャロン「はい! 了解であります、パルム隊長!」 謎の声「(遮り)ちょっと待った」    と、ドアが開く。    初老の男性、フィール(50代前半)が立っている。 フィール「失礼するよ」 シャロン「フィール司令」 パルム「司令?」    パルム、ハッと敬礼する。 フィール「はは。君が今日来たパルム君? 真面目だね」 パルム「恐縮です」 フィール「真面目ついでにまず司令部に来てくれれば良かったのに」 パルム「恐縮であります……」 フィール「着任の手続きが色々あるからね。ちょいと顔を貸してくれ」 パルム「はっ。承知いたしました」    と、身を引き締める。 シャロン「あ、あの」 フィール「どうしたシャロン君」 シャロン「司令、私には……」 フィール「君にもあるよ。大事な仕事だ」 シャロン「それってもしかして!」 フィール「(きっぱり)観光案内」 シャロン「……」    しょぼん、とシャロン。 パルム「シャロンさん。そう、しょげないで」 シャロン「はい……」 パルム「終わったら今度こそ初出動だから」 シャロン「(パアッと)そ、そうですよね。隊長が来てくれたんですから、私、頑張ります!」    と、やる気満々のシャロン。 パルム「……多分ね」 〇同・保管庫    地下にある施設。    銃に剣。様々な武器が保管されている。    フィールとパルムが階段を降りてきて、 パルム「ずいぶん暗い場所ですね。司令、ここで着任の手続きを?」 フィール「ん? 違うよ。そんなのやるのは暇な時」 パルム「ええ?」 フィール「君をここに連れてきたのは、重大な任務の為だ」 パルム「……!」    身構えるパルム。 フィール「ガイドじゃないよ」 パルム「分かってます」 フィール「雑用でもないからね」 パルム「分かってます!」    フィール、いかつい鍵のついた棚の前に立つ。 フィール「……!」    フィールが気を込める。    すると鍵が光って魔法陣が出現する。ほどなく魔法陣が反応し、鍵が開く。フィールは棚を開ける。
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