うそつき

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先生が来る。席つかなきゃ」  相変わらず一方的に話すやつだ。仕方ないとは思うが。  ぼくの右前の席に、つまりは山峯が自席に着くとクラス全員が席に着いた。朝の会が始まる時間だ。  ガラッとドアの音を立てて、僕たちの担任の矢口先生が教卓につく。 「皆さん、おはようございます」 「おーはーよーうごーざーいーます!」  矢口先生の優しい声に対して、ぼくたちは子供らしいゆっくりとした声で答える。 「まず、出席から取りますね。」  出席番号順に名前が呼ばれていく。 「山峯君。」 「はい!」  元気な声で返事が返されていく。だが。 「土里君…は、休みらしいね」  一人の男子生徒で今日も止まる。 「はじめ君、どうしたんだろう?」 「もう、一週間でしょ?」  教室がざわざわと騒がしくなる。 「静かに!次にいきますよ」  土里はじめという名前の男子児童が欠席をして一週間が過ぎようとしていた。先生の間では行方不明になっているという話題も出始めているようだ。  彼の机の上には花瓶と一輪の花。悪質なイタズラが始まっていた。いや、続いていた。  ぼくは、それをただ見ているだけだった。  昼休み。山峯君が言う。 「ワンちゃんの世話しに
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