1 嗤う男

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6月14日、夜。 その日、国の首都に位置する放送局が謎の集団に占拠された。 その集団は自分たちを「機人軍」と呼び、15人のメンバーたちは全員サイボーグで構成されていた。世界征服を掲げるこの集団は、まず初めにこの放送局を標的にしたというわけだ。 集団のリーダーだろうか。骸骨を模したペイントのされたガスマスクを被り、黒いマントを身に着けた男が指示を出している。優に2mを超えるであろうガスマスクの男の左腕は機関銃に、右腕の掌はバズーカ砲に改造されていた。先ほどの放送局の入り口の爆発はこの男の仕業であった。おそらく全身が改造されているのであろう、爆発音を聞き駆け付けた警備員の銃弾を跳ね返し、機関銃で薙ぎ倒す。ガスマスク姿のほかのメンバーたちも、職員を見つけては次々と蹂躙していった。その後、ニュース番組の収録現場を制圧し、生放送をジャックした。生放送を観ていた人々は画面にくぎづけになり、息をのむ。集団のリーダーは落ち着いた声で、カメラに向けて犯行声明を出した。     
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