1 嗤う男

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「私は『機人軍』代表、スカルヘッドである。我々は世界征服という崇高な目標を達成するため、手始めにこの国を支配することにした。我々を邪魔するものは誰であろうと容赦はしない。そして我々が世界を手に入れた暁には・・・」 「いや、違う」 どこからか声がした。スカルヘッドが振り向くと、そこにはやせ細った男が立っていた。白髪が目までかかり、白いシャツを着て、黒いパンツを履いているが、シャツは血だろうか、所々赤く染まっている。両手に刀を持っていて、これも両方赤く染まっていた。 「誰だか知らんが、ここまで1人で来たというのか?入り口からここまで私の部下が見張っていたはずだ」 「殺した。10人全員」 男は答え、刀を構える。 突如、男の姿が音もなく消えた。人数が3分の1にまで減った「機人軍」のメンバーは身構える。 収録現場が静寂に包まれる。 「奴はどこだ?」 口を開いたガスマスクの男は気づいていなかった。自分の頭と胴体が切り離されていることに。 「そこだッ」 スカルヘッドは左腕の機関銃で、物言わぬ肉塊となった部下の体ごと銃弾の雨を浴びせた。ほかの男たちも銃を放つ。しかし、刀の男の姿はそこにはなかった。 「ぐああッ」「ぎゃッ」「助けてくれえッ」 男は目にも止まらぬ速さでサイボーグ達を斬り裂いている。「機人軍」のサイボーグ達は体の一部だけ改造した者が多く、基本は生身の体であったために、大量の血飛沫をあげることとなった。 「クソがぁッ」     
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