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確かにそこは地球だった。今男の子は惑星同士の衝突の写真を片手に、公園で一人涙をこぼしている。 「取り返し、つかなくなっちゃった。」 夜を灯す照明が月と星に変わってまだ間もない。 男の子の声には受け手がいない。滅びゆく地球にただ一人居残ってしまった男の子の独り言は、飛び去った人類最後のスペースシャトルには届かない。 地球滅亡まで残りおよそ100日。少年はしばらくの間、うずくまった。
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