兄の友達は私の何?

4/4
64人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
兄が急な出張で帰れない日があった。 同居人の大槻さんと二人きりの夜になるが、相手は怪我人だし、何事も起きようも無いってもんだろう。 たとえ兄がメールで 『奴と愛を語るならチャンスだぞ!』 なんてふざけた文章を送ってこようが、何事も起きる筈も無い!!! 現に彼は早々と寝る、と部屋に引き上げた。 私も後片付けや風呂を済ませ、部屋にこもる。 大槻さんは一階の奥の和室で、私は二階の自室だから、部屋に入ってしまえばお互いの動向は分からない。 明日の食事のメニューや、作る手順等を考えていると、夜中の12時になろうとしていた。 二階にあるトイレで用を済ませ、寝ようと廊下に出たら、階下から小さな音が聞こえた。 大槻さんもトイレかな? のどでも渇いたかな? そう思い、階下に降りてみた。 果たして、お水を飲みに、と言う事だったので、一緒に麦茶を飲んだ。 ーーーーーそして、彼が転びそうになったので、支えなければと思い抱き止める形になった。 「もう、気を付けて下さいよ。」 と言って彼を見上げれば、目の前の至近距離にある彼の顔のドアップ。 少し顔を傾ければ、触れあいそうな唇。 驚いた顔に男の色気が混ざり出し、このまま流されても良いかなと思ってしまう。 女として求められたい、そんな気になった時。 「悪い、寝よう。」 そう言って離れて部屋に戻って行った。 、、、、、もう少しで流されてしまいそうだった。 疲れた頭を休める為、私も二階の自室へと引き上げたのだった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!