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「ごちそうさん。
俺、約束があるからこれから出掛けるわ。
大槻はゆっくりしてけ。」
食事が終わると山元が出掛けて行った。
滅茶苦茶不審な行動なんですけど、って半目になってしまった。
「兄が食事に誘ったのに、ご免なさい。」
はい、和恵さんはそう言いますよね。
「えーと、あー、そのう。」
「?」
ここは男らしく!!
「和恵さん、俺と結婚して下さい!」
「、、、、、えっ?!」
「ああ、まだ早いか。
結婚を前提としてお付き合いして下さい!!!」
「、、、ぷ、プロポーズですか?」
「はい、そうです!
一緒に暮らして惚れました。
離れて暮らして思い知りました。
俺にはあなたが必要です。
家族になってくれませんか?」
「家族、ですか?
以前のように三人で?」
「いえ、二人で!
二人で家族になって、子供が出来て三人になって、って。
どうでしょうか?
山元には別に暮らしてもらうように頼んであります。
この家でも良いですし、どこか新しい家でも良いです。
和恵さんと二人で暮らしたいんですけど。
どうですか?
だめですか?
俺との結婚、前向きに考えて下さい!」
「兄に根回し済みなんですか?」
「はい、済みません。
俺、順番間違えましたか?
あ、日を改めてプレゼンさせて下さい。
和恵さんの愛しい所や俺の真剣な気持ち語ります!
場所もプロポーズに相応しいようなホテルのレストランで、花束を用意して、なんなら、指輪も用意します。
履歴書でも、身上書でも、給料明細でも、何でも用意します。
それから、え~と、、、。」
「大槻さん、落ち着いて下さい。
そんなの必要ありませんから。」
「和恵さん、好きです。
お付き合いしてくれませんか?」
「ふふ。
こんなに想われて光栄です。
私も同居解消して、淋しく思いました。
一緒に暮らして下さい。」
「えーと、それって、二人で?三人で?」
「もちろん、二人でですよ。
兄には根回し済みなんでしょう?」
「!!!はい!」
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