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目が覚めると、白い天井が見えた。
そして、今にも泣き出しそうな同僚の顔。
「大槻!俺がわかるか?」
「山元?
俺、どうしたんだ?」
「うん、そう、山元だよ、俺。
ごめん、申し訳ない、全部俺のせいだ。
台車を暴走させちまって、お前にぶつかってしまったんだ。
それで、右足の骨折で、全治二ヶ月だって。
手術終わってるから。
どうお詫びすれば良いか分からないけど、土下座でも何でもするよ。
大槻のお陰で、他の人に怪我させずに済んだんだ。
当たり所が悪ければ死者が出てもおかしくない位の勢いだったんだ。
お前のお陰で、老人や子供に当たらずに済んだよ。
感謝とお詫びとで、もう、俺、どうしたら良いんだ?」
「山元、落ち着け。
他に怪我人がいなくて良かったよ。
これ、労災だろ?
仕事サボれてラッキーって思っておくさ。
それ以上謝ったら、絶交するぞ。」
「大槻~!お前、本当に良い奴だな!!
後の事は任せておいてくれ!
悪いようにはしないから。」
「ああ、頼んだ。
急ぎの仕事があるんだ。
齋藤商事とのアポが入ってた筈だから、それを先に頼む。
書類に不備はないと思うが、今から帰って確かめてくれ。
分からない所や不安の無いよう、頼んだぞ。
えーと、それから、、、、。」
「ああ、分かった。
取りあえず会社に戻って確認してからだな。
じゃ、一度戻るわ。」
山元は会社の同僚で、仲の良い友達だ。
俺と一緒に仕事を進める事が多いから、そんなに不安はなかった。
薬が効いてきたのか、俺は又うとうとしだした。
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