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え、どなたです?
「大槻さん、朝食終わったらそのまま置いといて下さいね。
私、着替えてきます。」
山元に頼んで俺の家から服を取ってきてもらったのに着替える。
久々のスーツだ。
ただ、ギプスの箇所が入らなかったので、山元が大きめのスラックスを買ってきて、脇を開いてファスナーで止めるように工夫してくれたので、上下はチグハグになったのはしょうがない。
伸びの良いスエットよりは数段マシだ。
洗えないギプスの中の皮膚が痒いな、と思いながら待っていると山元和恵が支度を終えて戻ってきた。
「・・・・・・・、誰?」
「失礼ですよ、和恵です。
さ、兄が車を回してくれてますから、行きますよ。」
目の前には、カッチリした中に少しの色気を見せるスーツを着こなした目鼻立ちのハッキリしたキャリアウーマン風の女がいた。
「化粧、怖えぇ~。」
ポソリと呟くと聞こえたようで、睨まれた。
昨夜の、顔の薄いほのぼのスエット女、どこ行った?!
化けすぎだろう!!
女って、本当、恐ろしいな。
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