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「先生……」
「ん?」
小さな声の呼び掛けにも答えてくれる。
私の事、気にしてくれてるんだなって、すごく思うん。
「最近、抱いてくれないね。」
遠くでゲホッと、むせる音が聞こえる。
「何を言い出すかと思ったら。」
わかってる。
先生の邪魔している。
「さっきも言っただろうに。毎日するってもんじゃないよ。」
「うん……」
「そんな事よりも、早く寝なさい。」
先生にそう言われて、私は寝返りを打った。
隣の部屋からカリカリ、音がする。
先生が物語を書いている音だ。
その音は止まる事なく、軽快に走り続けている。
ねえ、先生。
私に飽きちゃったの?
聞きたくても、聞けない。
先生は、物語を書く事に集中しているから。
コンテストの締切の終末。
それは、私の夏休みが終わる日でもあった。
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