第二章 いざ、「呪いのバス停」探索に出立

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「確かめる方法なんかあるのか」 マサルが身を乗り出した。 「ミチコ。後五分よ」 時計を覗き込んでいたマミコが叫んだ。 「実はね、『呪いのバス停』は丑三(うしみつ)時、つまり、午前二時から午前二時三十分の間に『呪いのバス』が迎いに来るという話なの。もちろんバスに乗るつもりはないわ。 でも、バスがホントに来るかどうかを見極める必要はあるわ。それをどこかに隠れて、確認するの。これでね」 ミチコはまたもや得意げにデジカメを手に構えた。 「あそこの木の背後あたりがどうかしら。さあ皆、隠れて」 ミチコ掛け声で、四人は木の陰で声を潜めて、その時が訪れるのを、固唾を飲んで待った。 「五、四、三、二、一」 時計を覗き込んでいたマミコがカウントダウンを始めた。 「今よ」 ミチコが小声で呟いた。でも、何も起きなかった。 それから一時間が経過したが事態は何も変わらなかった。 「納得したかい」マサルが口火を切った。 「もう満足だろ。今日はこれでお開きとしよう」
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