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第四章 新たなる疑惑への挑戦
それから一週間が過ぎた。青春を謳歌する高校生達に取って、一週間という月日は過ぎ去った過去でしかなかった。『呪いのバス停』探検のことも、次第に彼らの話題から遠のいて行った。そんなある日の昼休み。ミチコ達は近々開催する学園祭のことで盛り上がっていた。
「ねえ、ミチコ。うちのクラスの学園祭の出し物。なんにする」
いつもはあまり話をしないユカリが話し掛けてきた。
「そうね。あたし達も三年生で今年が最後だからね。何か変わったものにしたいわね」
「美人コンテストなんてどう」
それまで黙っていたマリコが話に入って来た。
「マリは自分が優勝出来ると思っているのでしょ」
ユカリがマリコを肘で小突いた。
「ちょっとくらいクラスの男の子に人気があるからって、いい気なものね」
「じゃあ、イケメンコンテストっていうのはどう」
今度はマリコが切り替えした。
「ダメダメ、うちのクラスの男子はブーばかりだから」
「それもそうだわね」
ミチコ達は笑いながらも意気投合した。なんだかんだ言っても、まだまだ夢見る高校生。残念ながら『イケメン』のキーワードで思考回路は直ぐにショートする。
「イケメンで思い出したのだけど、隣のクラスの学年一のイケメンのシンジくん。このごろ
見ないね」マリコが言った。
「なーんだ。マリはやっぱりシンジくん狙いか。話に乗って損しちゃった」
ユカリはあからさまな膨れっ面をマリコに向けた。
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