第三章 行方不明の「呪いのバス停」を求めて

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第三章 行方不明の「呪いのバス停」を求めて

 『呪いのバス停』探検から一夜が明け、何事もなかったかのように、いつも通りの学校生活がミチコ達を待ち受けていた。 「昨日、確かに写したわよね。あのバス停。マミも見たでしょ」 ミチコは昨日のデジカメ写真をマミコが熱心に読んでいる科学雑誌の上に置いた。 「写っていたかどうかまでは、ハッキリとは覚えてないけど」 マミコはしどろもどろだった。 「オレは確かに見た記憶があるよ」 横で二人の話を聞いていたタツヤが答えた。  そこにはバス停の影も形も存在しなかった。ただ四人で取った記念撮影だけはしっかりと記録されていた。それが昨日写したことを証明するものであり、また、四人の背後に本来あるべきはずのバス停が写っていなかったことが、より一層の不気味さを感じさせた。 「論より証拠。放課後、もう一度あの場所に行ってみないか」 いつの間に来ていたのか、マサルが話に入って来た。 「『呪いのバス停』に一番興味なさそうなマサル殿が、いやに積極的だね」 タツヤは嫌味まじりで言った。 「昼間ならハッキリするだろ。オレはただ早くシロクロの決着を付けたいだけさ」
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