第五章 失踪の解明はMIT天才ハッカーの手に

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第五章 失踪の解明はMIT天才ハッカーの手に

 そうこうしているうちに、マミコ達三人は学校の正門前に辿り着いた。 「二人とも運がいいわね。あのタクシーに乗りましょう。天はあたし達を応援しているのよ」  マミコは二人を促すかのようにそう言って、タクシーに向かって歩き始めた。 「なるほどね。ミチコがさっき電話していたのは、あのタクシーってことかい」  タツヤはミチコの方に顔を向けた。 「マミの行動には保険を掛けとかないとね」ミチコはにんまりと薄笑いを浮かべた。  程なくして、三人はマンションの一室の扉の前に立っていた。  マミコが呼び出しボタンに手を掛けようとした瞬間、向こうから扉が開いた。 「さあ、早く中に入って」  中の声に引き入れられるかのように三人は部屋の中に入った。 「ようこそ」  男はミチコに手を差し伸べて握手を求めたてきた。  その姿にミチコとタツヤは困惑を隠せなかった。 「紹介するわ」  二人の怪訝な表情に気遣ったのか、マミコが切り出した。 「彼の名はジョージ。MIT出身の天才的ハッカー。またの名を通称G。あたしらの間ではGチャンって呼ばれているわ」  どうみても、自分たちと同じ高校生、それにジョージという名前に反して、日本人としか思えない容貌に二人は納得がいかないという表情を隠せなかった。
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