僕は死ぬために生きている。

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「しょうがない奴だな…ヒサト、お前が言いだしたのだから、僕はしらないから」 「はい!私は起きています!絶対に」 「そんなこと言っていいのか」 「いいのです!さぁ、先ほどの続きをしましょう。あ、別の話もいいですか?」 「ヒサトの好きにしていいよ」 喜ぶヒサトに僕はおとなしく負けを認めた。 その夜はヒサトの好きなことを好きなだけした。 話して、話して、遊んで、僕の寝具に入り込んでも僕は怒らなかった。 残された時間をヒサトに…愛おしい弟に託した。 盛り上がったヒサトは疲れたのだろう。 僕の隣で眠っていた。 すぅすぅ寝る可愛い寝姿に僕は微笑んだ。 「お前は生きて、幸せになれ。自由になれ。この国縛られる必要なんかない位、彼女もできて、家族もできて、幸せに生きろ」 聞こえていなくても、僕が僕の人生が幸せになったのはヒサトのお陰なのは間違いないのだから。 それが運命だったとしてもこの感情は僕のものなのだ。 朝、眠るヒサトを起こさないように僕は部屋を出た。 部屋を出るとそこには王の側近が何人もいた。 今更僕が逃げるわけないのに見張っていたのだろう。 ご苦労なことだと僕は思った。 側近に連れられるがまま、部屋を訪れ、そして僕は…儀式に出た。 人とは呆気ないものだ。 ただ、最後に思ったのはヒサトが幸せであるように祈りながら 僕は死んだ。 僕の死んだ理由。 そんなことは最初から運命づけられていたが、 僕はヒサトが幸せになるために死んだと言い訳した。
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