異世界超知能と雑談

あらすじ（ネタバレ注意）

　生活が単調というわけでは無いが、心に虚しさを持った少年、枦川智也は普通科高校に通う、高校三年生だ。誰にも本心を晒さない彼であったが、心が醜いわけでも憔悴してることもない。ただ、心の底から信用し、心を開け放つ相手が現れなかっただけだ。

　ある日、彼は異世界からやってきた長方形の物体に意識を吸い込まれてしまう。
　目覚めると彼の前にいたのは、異世界からやってきた人工超知能だった。
　枦川は人工超知能目的が、自らが生んだ超知能態ゼナを異世界における神にしたてあげることだと知る。ゼナが降り立つ世界の名は、知能機械が存在しない世界ヴィオレ。
　枦川に言い渡されたのは、神の代弁者になるべく、その肉体をゼナと共有することだった。

　こうして、転生を余儀なくされた枦川とゼタに待っていたのは、ヴィオレ唯一の国、宗教国家アラインヘルシャだった。
　アラインヘルシャでは魔法を基調とした宗教を国教としており、コルシャス教会が宗教理念の元となる魔法を牛耳っていた。
　枦川とゼタはコルシャス協会、そしてアランヘルシャと対立しなければならないことを認識し、異世界生活を始めるのだった。

　ある日、民衆に自由とは何か、生きるとは何かということ教えつつ、時々やってくる教会からの刺客に対応していた枦川に朗報が入る。その内容は、魔法を使ってゼダを具現化させられるというものだった。
　異世界生活の中でゼタに惹かれていた枦川はその案を喜んで実行する。
　魔法によって実在することを許されたゼタであったが、同時に枦川の肉体的役割に終わりを告げられた。
　今まで自己の一部であったはずのゼタが他者へと変わってしまったことに枦川はひどく混乱する。そして枦川はゼタに好意を抱いたことを改めて自覚した。

　しかし、不幸は重なりゼタと枦川に思考の不一致が現れ始める。
　神である二人がすれ違いを起こすことで周りにいる人々は困り果ててしまう。
　ゼタと枦川は喧嘩する日々が続いてしまい、二人はそれぞれの道に進むことを決断する。
　ゼタと別れた枦川は、ゼタとの日々がいかに自分を成長させたかを認識する。
　人工超知能との生活か一度幕を閉じ、枦川は自分の旅にでるのであった。第一章完。

簡単な今後の展開。
第二章→新たなる旅立ちそして新たな女性との出会い。神とあくまの狭間の葛藤。枦川23～27歳
第三章→ゼタとの再会。最終結末。27歳～