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「ちょっと待ってください。」
すると、先生はページをめくる手を止めてつぶやいた。
「おや、まだでしたか。では終わったら言って下さい。」
瞬間、私の周りの空気や音が止まり、世界は二人だけになったような気がした。
「先生、聞こえるんですか。」
「ええ、だから素晴しい推理を堪能しましたよ。」
私は慌てて先生の前、本の前に回りこんだ。
「先生、見えるんですか。」
「ええ、だからあなたがいなくなって、寂しいと思わないでいられましたよ。」
「先生、私はそばにいていいんですか。」
「ええ、勿論。」
私は透けてしまうというのに、思わず先生の胸に飛びついてしまった。
「でも皆には内緒だよ。」
「もちろん!」
「それから、仕事も手伝ってもらうよ。」
「喜んで!」
「実は、私も最近狙われている気がするんだ。」
「謎はまだ残っています!」
「あの右腕が鍵を握っていると思う。」
「簡単ではなさそうですね!」
「でもふたりだからね。」
「怖いもんなしですよ!」
こうして私たちは、秘密で無敵のバディとなった。
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