天才過ぎる俺。

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 街を歩く人々を見回す。  おぉ、あの人は素敵だ。  黒く艶めく長い髪に、マーガレットの髪飾り。  薄黄色のタンクトップに、少し透けている白いワンピースを重ねている。ウエスト部分が引き締まったデザイン。全体に散りばめられた赤とオレンジの小さな花が可愛らしい。背中に着いた大きめのリボンが、清楚な服装に甘さを加えている。茶色の夏らしいサンダルも、良く似合っている。    けど、まだ少し足りない。  そうだな、俺なら・・・。  あのサンダルに、もう一つ小さなマーガレットの飾りをたす。それから、そのマーガレットの傍に、青のラインストーンを二、三個散らす。  おぉ、なかなか良くなった。  暖色系ばかりの服に、小さくも輝く青というのは良いものだ。  流石俺だな。  勝手に誇らしくなって、自然とにやけてしまう。 「ったく、思春期の高校生ったら」  ぬおっ・・・。 「なんですか、紗南さん・・・」  俺の顔を覗き込んで、ニヤリと笑っている。意地の悪い女だ。 「さっきっからあの子の事目で追っかけて、気になってるんでしょ?」  はぁ? 「さっきからニヤニヤしちゃって、あの巨乳に見惚れてたんでしょ?」  魔女のように意地悪な笑みを浮かべながら言う。面倒くさい先輩に出会ってしまったものだ。 「違いますって。あの服、良いなって・・・」  それに俺は、巨乳派じゃない。・・・なんて、推定Eカップの紗南さんに向かって言えたもんじゃないが。 「ふーん。ヒロくんって、もっと露出の多い服が好きなのかと思ってた」 「俺の事、何だと思ってるんすか」 「うーん、変態魔人かな」  言葉の後ろにハートマークでも付きそうな勢いで、なんてことを言うんだ、この女。
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