イジワル魔女

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 店の外に出て涼しい風を浴びると、少しだけ生き返った気がした。 「今日は、このくらいかなぁ」  満足そうに笑って俺の手を握った。何でこんな行動ばっかりするんだ。意地悪で人をイラつかせることもできて、甘い言動で男を騙す紗南さんは、本当に魔女みたいだ。 「今日はこれで終わりっすか? もう疲れましたよ・・・」 「ごめんごめん、もう終わり」  静かに髪の毛を耳にかける。その仕草で、今まで何人もの男を落としてきたのだろう。なんて怖い女なんだ。 「今日はありがと、付き合ってくれて」 「いえ、たいして何もしてないので」  一応、俺は後輩だから。ま、俺級の天才になると魔女の扱いも楽勝ってわけだ。 「いつも付き合ってくれる変態魔人くん、優しくて好きだよ」  ・・・。 「じゃあね」  笑顔で俺に向かって手を振る。・・・天使かよ。 「はい、また」  軽く頭を下げる。今日も俺は完敗だ。
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