彼等は人類が気になる様です

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 朝、6時8分から10分の間の2分間。僕がいつも学校へ少し早く行く時に通る裏道を利用して大体12年。小中高と続いて今日は最後の卒業式。その日まで続いた物語を語ろうと思う。  名前は浅川 浩二。得にこれと言って取り得は無い。趣味が少し変なだけで。  俺は毎日学校を通う際にとある裏道を通っていた。それも小学校から高校に至るまで、毎日だ。小学校は下校時、中高なら登下校で。とにかく近くの学校を選び、そしてその道が最も早い近道だったのだ。  なので一にも二にもその道通って毎日を過ごしていたのだが、中学生になってからの登校時、時間にして役2分の間にそれは始まったのだ。 「……あん?」  表通りは朝っぱらから車が多く走っているが、その後ろの通りは閑散としており、影に隠れて暗い道になっている。その間を中学一年生になる俺は自転車で走っていたのだが、そこで見てしまったのだ。 「……ほよ?」  丁度コンクリートをぶち破ってぴょこっと姿を現した、未確認生命体を。 「え、え……え?」 「あーこれはこれは~~……こんにち?」 「……わ?」 「それ~~♪」  そいつは小さかった。多分身長はそこらの花の全長と同じぐらいだろう。人型で、とにかく邪気が無い顔の子供体型だという事だけは分かった。頭からミョインと生えている触覚の先に『土星人』と書かれた土色の玉が引っ付いているのは気にしない。  とにかく不思議生物だ、UMAだ。当時中一の俺は、当然その存在に興奮を隠し切れずにスマホで激写し始める。だが、 「眩しいのやッ!!チェキッ!!」 「うぇ!?」
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