19人が本棚に入れています
本棚に追加
朝、6時8分から10分の間の2分間。僕がいつも学校へ少し早く行く時に通る裏道を利用して大体12年。小中高と続いて今日は最後の卒業式。その日まで続いた物語を語ろうと思う。
名前は浅川 浩二。得にこれと言って取り得は無い。趣味が少し変なだけで。
俺は毎日学校を通う際にとある裏道を通っていた。それも小学校から高校に至るまで、毎日だ。小学校は下校時、中高なら登下校で。とにかく近くの学校を選び、そしてその道が最も早い近道だったのだ。
なので一にも二にもその道通って毎日を過ごしていたのだが、中学生になってからの登校時、時間にして役2分の間にそれは始まったのだ。
「……あん?」
表通りは朝っぱらから車が多く走っているが、その後ろの通りは閑散としており、影に隠れて暗い道になっている。その間を中学一年生になる俺は自転車で走っていたのだが、そこで見てしまったのだ。
「……ほよ?」
丁度コンクリートをぶち破ってぴょこっと姿を現した、未確認生命体を。
「え、え……え?」
「あーこれはこれは~~……こんにち?」
「……わ?」
「それ~~♪」
そいつは小さかった。多分身長はそこらの花の全長と同じぐらいだろう。人型で、とにかく邪気が無い顔の子供体型だという事だけは分かった。頭からミョインと生えている触覚の先に『土星人』と書かれた土色の玉が引っ付いているのは気にしない。
とにかく不思議生物だ、UMAだ。当時中一の俺は、当然その存在に興奮を隠し切れずにスマホで激写し始める。だが、
「眩しいのやッ!!チェキッ!!」
「うぇ!?」
最初のコメントを投稿しよう!