彼等は人類が気になる様です

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 俺はそれに応える為に、スマホの電子書籍であらゆる歴史本を収集。幸い貯めていたバイト代があったので、割と手軽に資料は集まった。専門的な知識故穴はあるだろうが、それでも大まかに知るには十分だろう。  それをスマホごと彼等に貸し出し、帰りに持って帰るのだ。その時には彼等は居ないが、どうやら俺の家を探し出したらしく、ポストに入る様になった。  友人達からお前スマホどうした?とよく聞かれる様になったが、まぁしょうがない。親からの電話にも出られんのが玉に瑕である。なのでパッドを強請ったら買ってくれた。日頃何も望まない男だったので、漸く欲を出したかと逆に怒られた。  それで数年の間、俺と地球さん達は1日も欠かす事無く議論を重ねた。彼等はこの世界のあらゆる施設にも入り、現在の状況も事細かに知識として収集しながら俺に色んな質問をぶつけて来た。365日×約3年の間ずっとだ。 「カクってや~ね~?」 「オゾンさんもかわいそう~」 「せちがらし世の中~~」 「正すのえくすとらあんの~ん」 「あびゃ~~」 「何か、すんません……」 「「「ええってことよ~~」」」  地球さんはそこまで怒ってもなかった。ただ表面上で動かれるとこそばゆいらしい。また人間の科学技術がどれだけ凄かろうと、決して地球さんをどうにか出来る事は不可能だと判断したので、とりあえず滅ぼす方向に持って行くのは止めてくれた。  俺は彼等に甘未もあげてみたのだが、これがドハマりしているのも大きいだろう。 「これ、これヤバしな感じ~~♪」 「天に昇って弾ける御手前~~♪」 「病みつき中毒しくよろね~~♪」  どんどんぱふぱふ、どっから出したのか分からない小さな楽器を奏でながら美味しさを表現するなんと不思議な存在か。原住民万歳。  高校3年、冬某日。俺は珍しく前日に早く来る様に言われていたので、いつもより1時間早くこの裏道に来ていた。そして其処で見た物は、 「……何作ってんだあいつ等」  そこには、裏道を塞ぐ様にして『UFO』が置かれていたのだ。大きさは俺の腰ぐらいの高さである。
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