Rainy day

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「これ……! ないと思って探してたの! どこにあったの!?」 「本に挟まってた」 「うそぉ。忘れて、忘れて! これは、藤野くんに渡すはずじゃなかったの。  秘密だったの!」  あわてて紗菜が、俺の手から写真を取り上げた。その動揺っぷりが可愛い。 「秘密って言っても、もう読んじゃったし。紗菜の気持ちも忘れなきゃだめなのか」  紗菜が困惑した表情で俺を見上げる。 「わたしの気持ちって……」 「俺のことが好きって書いてあった。それ、もう時効?」  だったら嫌だなと思いつつ、紗菜の答えを待った。  間が怖い、早く何か言ってくれ。 「時効なわけ、ないじゃない」  じわっと紗菜の瞳から、大粒の涙が溢れた。 「ケンカして、すごく、すごく、後悔してたんだよ……わたし、素直になれなくて。  藤野くん、ごめんね」  
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