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「舞。今日は体調、大丈夫か」
「うん、大丈夫。今日は心臓も調子がいいよ。来週にはまた退院できるかもって」
「本当か。なら、美味しいもの頼もうか。何が食べたい?」
「そうだね。握り寿司でも食べてみたいかな」
「いいな。たまには舞も贅沢をしなさい」
決まって僕は母さんの手料理を頼むのだけど。
ちょっとだけ贅沢をしても良いかな、なんて思ってしまう。
「もう、その名前で呼ばないでよ。女子みたいで嫌なんだよ」
「じゃあ昔みたいに、まーくんにするか」
「それもやだ」
「わがまま言ってると母さんが出前頼んでくれなくなるぞ?でも握り寿司は丁度良いかもな。今回はお祝いも兼ねているし」
お祝い……?
なにか祝うことはあっただろうか。退院は何度もしているから今更祝うこともないと思う。
「なぜ舞が不思議そうな顔をするんだ。この前、大きな絵画コンクールで最優秀賞を貰ったばかりだろ」
あぁ。
そういえば、そんなこともあったか。
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