プロット

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 泣きじゃくった加奈が永朔に抱きつく。泣きながら話す加奈の言葉を拾うと、もうやらもう加奈以外のクラスメイトは死んだらしい。  もう、初めは40人のだった2年7組も、残り3人となったのだ。  アーデも永朔の元へやってきて、生きててよかったとでもいうように静かに、だが力強く抱きつく。  歌春は「は?なんで今更ハーレム主人公やってんの」悪態をつきながら遠目でニックスやエリエスをはじめとする兵たちとニヤニヤしながら冷やかしていた。  世界の危機を救った永朔らや各国の騎士達が、勝利に歓喜する中、そいつは現れた。  世界は文字通り静止していた。──永朔、歌春、加奈と、彼らと共に戦ったニックスらをはじめとする兵を除き。  いきなりそこへ現れたそいつは自らを主と呼んだ。  事実、彼が神々よりも格上の、世界の管理者である。  彼の話によれば、世界には他の世界との〝繋がり〟が必要不可欠。人が神々の権能を行使し世界の基盤にすら干渉しうるこの世界で、人は長い年月をかけてその〝繋がり〟にまで手を伸ばし、異世界から人を喚ぶことができたそうだ。  本来、彼ら人の持つ術程度ではそんな芸当は不可能なのだが、人の想いが形をとり、人の持てる権限に補正がかかるこの世界ではできてしまった。     
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