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彼は、これまでのような「世界の機構が意識を持った神」とは違い、全能に近い存在の本来の意味での神らしい。だから元々システム過ぎなかったこの世界の神と違い、初めから人らしい思考もできた。
そんな神は永朔らに言う。
この世界の者は、異世界から人を喚ぶ技術を完成させたが送り返す技術はろくに研究も進んでいないと。
だが、彼らの勇姿に心打たれたので、本来直接的な干渉をすることはないが、例外的に元の世界へ帰してあげたいとのこと。
歌春はすぐに承諾した。
そして知っていた。彼らの解を。
永朔はアーデを見やる。アーデも静止した世界の中動いており、永朔の視線を受けると寂しそうな表情を一瞬見せるも、やさしく「じゃあね」と言った。
加奈はこれから告白するという緊張で、それどころではなかった。
皆が永朔と加奈の言葉を待った。
先に口を開いたのは永朔。
「この世界で生きていこうと思う」
歌春以外の誰もが驚く。告白する覚悟を決めて永朔に意識を向けていた加奈は人一倍驚き、ビクンと小さく跳ねた。
そして永朔がアーデにプロポーズをする気配を皆が感じ取り、神を含めてワクワクしながら見守っていた。が、アーデが永朔を制する。
そして加奈の方を見た。加奈は覚悟を決めた面持ちで永朔の前へ歩み、ありがとうとアーデに微笑む。
加奈は「私と結婚してください!」と言い放ち、ギャラリーは「おお~」と声を上げた。
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