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プロット 終章
クラスメイトたちは、何やら霊体に近い存在で永朔たちの頑張りを見守っていたらしい。意識ははっきりせず記憶も曖昧だったらしいが、みんなの話を総合すると間違いない。
そして城が永朔に伝えていた「死後、一度限り他者が神器を使用できる」という機能は、そんな霊体というか魂の状態の彼らが生身の人間に重なるようにして発動していたそうだ。
女子と重なった!? と一瞬喜ぶ歌春だが男とも重なったことに気づき無になった。
白神は自室の部屋の鏡に向かって立つ。
スマホで何度も時間を確認し、言うべきことを何度も反芻した。
そして時が来た。
鏡の自分に向かって現在の日時を言う。
クラスメイトたちはほとんどが死んでしまうが、最後は世界を救って元の世界へ帰れる。
死ぬのは怖いけど、何も心配することはない。
みんながやり遂げてくれる。
そしてこれはとても大事なこと。
そばに美憂がいるはず。
必ず伝えて。
「クラスが最悪の事態に直面した時は永朔に助けを求めて」
って。
私の神器は未来を見る。その未来は「生きている私が明日見る景色」。
だから死の間際私が見たのは──一日先、日本に帰還した私が過去の私へ送ったメッセージ。
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