プロット 終章

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 その後みんなでカラオケに行ったりボウリングしたりした。陽キャから陰キャまで例外なく楽しみ充実を感じた。異世界に召喚されるなんて奇妙な体験を共にして、いくども死線をくぐり命を預けた仲間たちだからこそだった。  実はこの世界、前にいた世界と〝全く同じ世界〟と言うわけではなかった。皆が次々に気付き始める。  歌春はついに、テレビのニュースでそれを目にする。 『現在、能力者(オーバーライター)と思われる青年は、こちらも同じく能力者(オーバーライター)と思われる少女と共に現在も逃走しており──』  この世界には能力者(オーバーライター)と呼ばれる、人知を超えた異能を持つ者たちがいた。  そう。彼らが元いた世界にそんな「オタクっぽい」ものはなかった。  これは永朔と歌春による悪ふざけの結果だ。  生き残った者のイメージを頼りに、歌春とクラスメイトたちの魂を送る世界の座標を決める。もしそのイメージにこうあって欲しいとかの〝望むものを〟を紛れ込ませたら……?  歌春は永朔に言った言葉を思い出す。  ──俺たちの世界って異能力者とかがいる世界だったよな?  ──当たり前だろ(ニヤリ)  歌春はあの時の永朔のようにニヤリと笑った。  ラインのクラスのグループでは速攻でその情報が拡散されて、オタクの永朔とお前のイメージのせいじゃないのか? などと歌春は言われる。これは事故だ!と言い張り続けた。     
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