プロット 終章

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 そして、本物のヒーローになった彼の背中を思い出した。  クラスメイトに気づかれないようにそっと涙をぬぐうとブランコから立ち上がった。  ひとりの男が、大きな岩に腰掛けて夕陽を眺めていた。男の後ろ姿は夕陽が逆光になって真っ黒だ。彼の居る土地は廃れた街に草木が茂っていて、なんとも退廃的な印象を受ける。  彼は何か話すでもなくじっとしていた。  体つきから、おそらく成人男性であることがうかがえた。 「永朔?」  女性が男に声をかけた。男のシルエットに女性のシルエットが近づく。どちらも体型や声からすでに成人しているのがわかる。 「……ああ」  永朔と呼ばれた男性は立ち上がった。
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