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「よう! そんなところでなにやってんだよ」
男の知り合いらしき人物が声をかけてきた。
何度か顔を見たことがある、男の友人だった。
「まぁた そんな恰好して、しっかりしろよ」
「……」
男は無言でうつむいたままだった。
「そんな姿じゃみっともねえぞ」
「……ほっといてくれ」
男は呟いた。しかし友人は意にも返さず、
「そうだ、俺がやってやんよ!」
と、強引に家に上がりこみ、嫌がる男に刃物を向けた。
「大丈夫だって。俺、結構こーゆーの得意だから」
刃物が私の目の前で鈍く光った。その時だった。
「やめろ!!!」
男は家じゅうに響く声で叫んだ。
「悪い……今日は勘弁してくれ」
「お、おう」
友人はバツが悪そうに帰って行った。
その日の夜のこと、寝ている男の枕の元で私は死んだ。
栄養不足で真っ白な私を見つけた男は怪訝な顔をしながらごみ箱に捨てた。
「今から白髪とかやべえな……。やっぱりあいつに切ってもらって心機一転しよ」
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