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私は常にあの男といた。
傍にいて、共に眠り、すべてを共有していた。
少し乱暴な振る舞いはあったけれど、そんなのはよくある話。
気にしてはいなかった。
それよりも私の関心は男の食生活にあった。いや、生活全般といっていいだろう。
とにかく部屋は汚い。そして偏った食事。タバコに酒は言わずもがなである。
心配になる。なぜなら、私とあいつは一心同体だから。こちらがどんなに望んでいなくとも私にはあいつの影響がダイレクトに伝わってくるのだ。
乱れに乱れた生活をしているからか、あいつは心まで荒んできたようで自暴自棄な言動を繰り返すようになった。
そして、その日がやって来た。
男は私の仲間に刃物を向けたのだ。躊躇することなく男は刃を振り上げ無言で切り刻んでいった。
その切っ先が私の方へと向かった時、男はふとその腕を下した。
男は泣いていた。泣きながら、外へ飛び出していった。
冷たい風が体を痛めつけるように吹いていた。
全速力で走った男の足はすぐにがくがくと震えてその場にしゃがみ込んだ。
「もう、俺ダメだわ……」
息を切らし、滝のような汗を流していた。それは汗だけではなかったのかもしれない。
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