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何が真実か、わからなくて、頭の中がぐちゃぐちゃで、息ができなくて、泣きたくもないのに涙が幾度となく流れていく。
「はぁ・・はぁ・・はあ・・・」
このまま死んでしまえ。
荒い呼吸を繰り返しながら、そう願う。
死んでしまえば楽になる。
何も考える必要がなくなる。
死んでしまいたい。
楽になりたい。
白く霞んでゆく景色のなか、床に転がっているスマホを手に取る。
(違う・・)
(違う・・・違う、そうじゃ・・ない・・・イオリさんに・・)
スマホの履歴から矢田へコールする。
(・・イオリさんに・・会いたい・・・)
死にたいのではなく。
あの人に会いたかった。
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