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あらすじ
「拝啓、わたしの神様へ。まだ、あの夏の匂いを覚えていますか?」
華の東京の女子大生;佐藤芽守(さとう・めもり)は学業の失敗で傷心していたところ、ヤンキーな旧友;鬼木戸美心(おにきど・みこ)の誘いで故郷である離島、瀬塔島(せとうじま)へと十年ぶりに帰ってくる。
「さらば現実! ただいま、夏休み!」
瀬塔島は夏真っ盛り。めもりは懐かしい風の匂いに胸を弾ませる。昔なじみである電波系美大生;鹿間恋(しかま・れん)、マジメぽんこつお姉さん;才賀原桐江(さいがはら・きりえ)とも再会し、絶好調のテンションで迎えた夜は奇しくもめもりの誕生日だった。懐かしの四人組で集まり、めもりが二十歳になる瞬間を待って開かれた酒宴は楽しいものになる、はずだった。
吹きすさぶ愚痴と罵詈雑言。酒グセ最悪な四人による女子会は地獄絵図と化していた。朦朧とする意識でめもりが聞いた「こんなはずじゃなかったのに」は誰が口にしたのだろう。きっと誰の言葉でもあり、めもりの言葉でもある。
――私達はもう、子供じゃいられない。
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