第一話 魔物を討つ人々――2

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 魔物と直接戦うという面では、確かに戦闘班が一番危険な役割である。しかし、索敵班が魔物を見つけてくれなければ戦闘班の危険度は増すし、本陣班がいなければ負傷をした時に安全に治療を受ける場所がなくなる。スバルの態度にも言葉にも違和感を覚えながら、ナツキは自分の所属する二班の方へと向かった。  本陣班の何人かがまだ乗り手の来ない馬をまとめている。その中に自分の愛馬を見つけて、ナツキは名前を呼んだ。 「ユリ」  焦げ茶色の毛並みをした馬が顔を上げて、ゆっくりとナツキの方へと歩いてくる。本陣班の団員もナツキに気付いて、そのまま馬を見送った。 「お待たせ、ユリ。今日もよろしくね」  ナツキも小走りに近づくと、ユリの背を優しくなでる。ユリはナツキに頭をこすりつけるように動かした。  団員たちはみんな、自分の愛馬をとても大切にしている。それは同じ人間ではなくとも常に共に戦う仲間として、馬との信頼関係を築いているからだ。ユリにはすでに移動用の装具が着けられ、出発準備を整えていた。ナツキは本陣班の団員に頭を下げると、団員は片手を挙げてそれに応えた。ナツキはしばらくユリの身体を優しくなでてやりながら、他の団員たちが集まるのを待った。     
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