第一話 魔物を討つ人々――2

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 それに応える様に、団員たちは各々のランタンに、次々と魔法の白い光を灯す。索敵班を先頭に、戦闘班、本陣班と続いて遊動集団ゼートはドッカータの町を離れた。  デザルタ大陸に点在する隣り合った町は、すべて石畳の道でつながっている。ドッカータからアルバスまでも、もちろん砂漠の中を石畳の道が続いている。こういう目印でもなければ、砂漠に隣接する内陸都市から他の都市へと移動するのは難しい。少しでも方向が狂えば、魔物のいる砂漠地帯の奥へと進んでしまうのだから。石畳を進み続ければ、人々は安全に隣の町まで移動できるというわけだ。  そんな石畳の道をしばらく進んでから、先頭を行く索敵班がその道を外れて砂漠の中へと進路を変えた。そしてそれまで二列で縦長に進んでいた集団が、形を変える。それは上空から見れば、縦棒が屋根の高さに収まるほどの短さの矢印の形をしている。  何の目印もない砂漠の中を、ゼートは馬を走らせ一定の速度で進んでいく。昼にせよ夜にせよ、砂漠では進むべき道を示してくれるものは地上にはどこにもない。そして昼間の太陽だけでは、自分たちが今いる場所を正確に知ることはできない。遊動集団が夜に行動をするのは、唯一の道標である星々が空に輝くのを待っているからだ。     
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