第一話 魔物を討つ人々――2

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 どこまでも広がる荒涼とした砂漠の中を、遊動集団ゼートが進んでいく。一人ずつ持った白く光る一五〇のランタンが、何もない砂漠に矢印の形を作り出している。索敵班の二班が一班ずつ屋根の部分をつくり、その線を太くするように後ろから戦闘班の二班が続く。そして中央の縦棒の部分が本陣班で、屋根の下端と縦棒の最後尾が同じ高さになるような矢印の形である。  約四〇キロほどの速さで馬を走らせ、真直ぐに大陸の中心方向へと進んでいく。本陣班の先頭、つまりは三つの線が交わるところに団長アルルクがおり、時折ランタンの色を白から赤に換えて、休息の合図を送る。ランタンは暗い夜道を照らす灯りであると同時に、白、赤、青などいくつかの色を魔法で変えることで集団全体への合図としても使われる。     
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