第一章 一話 入学式

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 先程の女性の声はマサトの母である比嘉頼 由美。由美は元五十代目総本部英雄騎士団 副団長を務めており、当時の由美は岳斗と肩を並べるくらいの実力者で周りからは美しい女性だの女神だの呼ばれているが騎士団員は殺人夫婦、笑顔は絶品真顔は恐怖と言うことわざのモデルになり現在もひそかに使われているとか。だが戦闘の方は剣術のセンス、実力は岳斗を抜いてトップクラスだった。騎士団を辞めた理由はお腹の中にマサトができたから。  そしてマサトはシャワーを浴び終えキッチンへ向かっていくと卵焼きに鮭に冷やっこが並べられていた。  「マサト、今日から高校生なんだから見っともない姿で行くのはやめなさいよ。」  由美は朝食を取っているマサトに空いた食器を洗いながら話をした。  「わかってるって母ちゃん、特に今日は入学式なんだし気合い入れてかないとだしな!」  そして色々と用意を済ませた後マサトは家を出た。その様子を暫造と由美は見ていた。  「お義父さん、あの子あの学園でうまくやって行けるかしら。」  「お前は少しばかり甘いぞ?あの学園を卒業しないかぎりまず騎士団員にもなれんのじゃから、お前もよく知っているのじゃろう?」  心配そうな表情をしていた由美を暫造は笑いながら慰めた。  「まぁあいつなら大丈夫じゃ、岳斗の練習法を三歳から地道にしてきているんじゃから。何せあいつの勢いは止めても無駄なほどの勢いじゃからの。ほんと岳斗にそっくりじゃよ!ガハハハッ...ゲホッゴホッゴホッ!」  「もうお義父さん無理しないでください、私だってちゃんとわかっているのですから。」  そしてマサトは・・・     
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