第一章 一話 入学式

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 涙後らえる姿にマサトはさすがに言い過ぎたと思い反省して、立たせようと手を出した。  「うん。一緒に行こ。私の名前は宮本 雫、雫って呼んで。あなたは?」  「分かったよ雫。俺はマサト 比嘉頼マサトだ。マサトって呼んでくれ!」  そんなやり取りをしている間にやられていた二人組のうち一人が上半身だけ起こして、片手に竹刀をもって叫びながら思いっきり上に投げ出した。  「ウアアアアアアア!」  マサト達は振り返り叫び声が聞こえた方向へ向くと  「あいつまだ寝ていなかった、いや無意識に叫んでいるのか。まぁほっといていこう、立てるか?」  「ええ、ありがとう。」  と立たせようとした時だった。通行人の悲鳴と叫び声が聞こえた。  「お、おい!兄ちゃん達あぶねーぞ!」「きゃああああああ!」  何事かと思い不意に上を向いたら数本の鉄骨がこっちに向かって落ちてきている。  「あいつこれを狙ってやがったのか。雫!」  マサトは雫を抱きしめるようにかばい自分を犠牲にする覚悟でいた。  「マサト!何やってんの!ほんとに死んじゃうから!」  雫は大声でマサトに何か言っていたがマサトは何も聞こえていなかった。  (くそ、このままじゃ本当にやばい。)     
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