第1話

12/18
前へ
/35ページ
次へ
組合長(ギルドマスター) 「9条(攻略の成功)の意味がやっと分かったぜ……。生き残れば確実に迷宮魔道具(アーティファクト)を手に入れられる太っ腹な規則なんかじゃねえ……! 俺らを殺し合わせるための餌ってこった……! くそっ! 迷宮の主人(ダンジョンマスター)の野郎……!」 女騎士 「しかし、殺し合うといったって、我々は武器を取り上げられています! これでは殺すことなんて……」 組合長(ギルドマスター) 「分からねえか? 俺たちには魔術刻印が刻まれてる。もし、72時間以内に魔術刻印を解除することが出来なかったらどうなる?」 女騎士 「っあ……」 組合長(ギルドマスター) 「魔術刻印が発動して即お陀仏……! つまり、俺たちは直接殺し合わなくとも、殺したい相手の魔術刻印の解除条件さえ満たせないようにすれば、息の根を止めることが出来る……! 剣で人間を斬るよりも心理的な障害は小さいだろうよ……!」 女騎士 「そんな……」 勇者  「こんな話はやめましょう。猜疑心を煽るだけです」 研究者 「そうですね。ひとまず、私たちには最優先でやるべきことがありますから」 女騎士 「やるべきこと……?」 研究者 「残りの規則……5条の把握です」 聖騎士 「そうですね……。推測で分かりそうなものでもありませんし」 研究者 「前後が書物についての規則なので、恐らくは書物に関する何かだとは思うのですが。書物の最後のページも、不思議な作りになっていますし」    研究者、書物の最後のページを撫でる。 組合長(ギルドマスター) 「早速探しに行くとするか。誤って魔術刻印を発動させちまうんじゃねえかと思うと落ち着かねえ」 研究者 「そうしましょう」    一同、小部屋を後にする。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加