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第1話
○ディンズデール王国・王城・玉座の間
女王(22)、玉座に座っている。
勇者(18)、片膝立てをし、頭を垂れている。
魔法使い(18)、聖女(16)、女騎士(20)、勇者の後ろで同じように跪いている。
女王 「勇者よ」
勇者 「は」
女王 「今日貴方を呼びつけたのは、他でもありません。貴方には、あの難攻不落の迷宮の迷宮魔道具を手に入れて欲しいのです」
勇者 「……」
女王 「我が国ディンズデールに迫る脅威は、今や魔王だけではありません。マイゼンブーク帝国、アルノー共和国、バウティスタ王国、我が国は列強に三方を取り囲まれています。列強との関係は悪化し、いつ開戦の火蓋が切って落とされても不思議ではありません。そして恐らく、その日は近い。その時に備えて、我々は少しでも力を蓄えなければなりません」
勇者 「……お言葉ですが、魔王の脅威も日に日に人里へ迫っております。魔王討伐もまた、急務だと心得ております」
女王 「だからこそです。貴方が迷宮魔道具を手に入れれば、魔王討伐にもそれは多大なる貢献をするでしょう。我が国、延いては世界の安寧のために、迷宮攻略は最重要にして必要不可欠なのです」
勇者 「……は」
女王 「勇者よ、貴方は光の加護を受けし者。人類最強と謳われる貴方に、如何なる迷宮と雖も攻略出来ないことなど万に一つもないでしょう」
勇者 「……」
女王 「引き受けて、くださいますね？」
勇者 「……女王陛下の御心のままに」
○暗転
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