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七瀬に引き止められて話していると理事長達は、足をとめて、俺たちの会話が終わるのを待っていた。
「すみません、理事長。足を止めてしまって」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それにしても七瀬君は真面目ですね~。」
「そうですね…」
俺がいうと理事長は優しい笑みを浮かべていた。
理事長は莉都とはちょっと違う優しさを持っていた。
「理事長…。」
梓先生が理事長を急がせるような口調で名前を呼ぶと理事長は少しハッとして足を動かし始めた。
「急ぎましょう。この話は笹久保君達しか話せないことですから。」
「分かっております。あ、理事長室に着いたら少し連絡を取りたい人がいまして電話をしてもいいですか?」
「構いませんよ。」
そう話していると理事長室についた。そして俺達は扉を開けて中に入ると早速俺はある人物に電話をかけた。
(でるか…??まぁ、心配は殆どしてないがな。)
プッルルと機械音の音が耳に鳴り響き、兄貴が電話に出るのを待つ。
数分経つとフッと機械音が消え兄貴の声が携帯から聞こえた。
〔もしもし。兄貴?〕
〔今日の仕事は?〕
〔あぁ、坂野 充って奴を調べて欲しいんだ。〕
電話をかけたのは俺の兄貴、笹久保 祐樹である。
職業は警察官で部署は警察庁特殊捜査科である。
俺達四人ともう一人中学生の仲間が特殊捜査科に所属しており、そこの担当刑事で警視である。
特殊捜査科に所属している他に持つ顔があるのだがそれはまた次の機会になるだろう。
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