君が最後に伝えたかったことを、今から僕は訊ねに行こうと思う

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「俺にも今、ミナトを助けたときの記憶が生まれた。ふむ、おまえは助けてくれた俺にあこがれて軍に志願したのか。みるみるうちのその才能を開花させて、活躍を期待されるパイロットになった。しかし初陣を明日に控えたその日、俺の壮絶な死を目にしておまえは一気にスランプに……」 「待ってください。いったい誰の話をしているんですか」 「誰っておまえのことだよ。あー、俺はそういう方向に持っていかれるのか。これはおまえに主役の座を奪われちゃうかもしれないな」  ああ、さっきの名前のときと同じだ。浮かんだ映像が、君の話が、ゆっくりと自分の脳に沁み込んでいく。そして違和感がなくなったころ、僕は妙に晴れやかな気分になっていた。 「まるで生まれ変わったみたいだ。僕はミナト・ナナセという名の二十歳の青年で、新型機、グランドリオン・イグニスのパイロットだそうです。でも……、やはり意味がわかりません」 「ほう。取り乱しもしないか。さすが年のわりに冷静沈着って設定が効いてるな。皮肉屋で無闇に熱くなる俺を諫める役でもあるって、俺って二期では熱血要素も含まれるのか?」  それは勘弁だ、とニヒルに笑う君にどきりとする。他人の笑顔に心が動くなんて初めてだ。そもそも心という概念もなかったのに。 「もしかして僕らは本当に生まれ変わるんでしょうか」 「生まれ変わるってのは語弊があるな。ここに来て気がついたんだが、俺たちはどうやら誰かに創られているようだ」  創られている?
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