君が最後に伝えたかったことを、今から僕は訊ねに行こうと思う

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 急に君が僕の目の前で指を鳴らした。パチンという高い音に弾かれて、僕の脳に一気にある情報が流れ込んできた。  両親や兄弟、友人に囲まれて楽しそうに笑う僕。普通に学校に通い、友人と馬鹿なことをして、気になる女の子に声もかけられず……。  そのありえない夢のような日常の映像に戸惑いながらも、僕は懐かしい感傷に見舞われる。  これは誰の記憶だろう。死んでしまったショックから脳が混乱しているのか。  ふと、僕の顔を覗き込む君と目が合った。きれいな青い瞳に吸い込まれそうになる。そうだ、この瞳を僕は以前にも見たことが……。 「大尉……。これはどうしたことなんですか……。僕は前にあなたに会ったことがある。あの日、友人と学校帰りに街で遊んでいたら、突然、空から奴らがやってきて……」  敵の急襲にパニックになる人々。逃げまどい、追い詰められて奴らにやられそうになったとき、どこからともなく現れた一機のロボットが僕を助けてくれた。そのロボットのコックピットから出てきたのは、紛れもない君。君は機体から降りると僕に近寄って声をかけてくれて、力強く笑いかけてくれて……。 「どうして僕はこんなに重要なことを忘れていたんだろう。大尉は命の恩人だったのに」 「違うよ、ミナト。それはたった今、おまえにつけられたプロフィールだ」  え、と聞き返す僕に君は「そうか、なるほど」と一人で納得したように頷いて、
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