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百億の男
あらすじ(873字)
二〇一二年、ユーロ危機。イギリスが加盟し解決を図るも、ヨーロッパの混乱は続く。
しかし、突如複数のダンジョンがヨーロッパに出現したことで状況が一変した。
攻略を生配信していたユーチューバーのジャズとポップが大金を得たことから、一攫千金を狙う人々が押し寄せ特需が発生、危機は一気に解決に向かった。
二〇一八年現在、ヨーロッパはダンジョン関連産業を中心に好況に湧き、世界経済で存在感を強めている。
(作品内ユーロ円:約三〇〇円 正史現代:約百三十円)
主人公ケイは財政破綻した夕暮市出身の大学生、夕暮市役所に就職が決まっており卒論執筆中。
ケイには、祖母の病気の治療費の為、農家に嫁ぐ予定の恋人がいる。恋人は市役所勤めだが給料が低く、また、財政破綻した夕暮市には高収入の求人はない。夕暮市が復興し仕事さえあれば恋人は自由な生活ができると信じ、ケイは地方創生の鍵を探しにヨーロッパに飛ぶ。
しかし用心棒としてジャズを雇ったことから、ケイも指名手配を受ける羽目になる。
ジャズは第十三ダンジョン攻略時、恋人のポップを亡くし、怒りのままに攻略、賞金の受取を拒んだため、欧州中央銀行(ECB)に追われる身になっていた。
賞金稼ぎやECBに追われながら、攻略や研究を進めていくケイとジャズ。魔物、罠、冒険者や追手との戦闘、そして冒険の末の攻略。
ダンジョンによって栄える街、攻略の末寂れる街、最初の攻略の街、ダンジョン出現にも関わらず閑散とした失敗の街。
謎を探り、ダンジョンはECBにより人為的に召喚された有効需要政策だと二人は突き止める。更に、ECBはユーロの影響力を強めるため、ダンジョンの輸出計画を立てていた。
死人も出るダンジョンを経済政策に使うことにジャズは反対し、ケイは悩む。二人は決裂し、ケイはジャズをECBに引き渡し、指名手配の賞金でダンジョンの種を手に入れる。
ケイは夕暮市に戻りダンジョンを出現させ目的を達成する。
そして、ジャズを助けにECBに単身乗り込む。ケイの考えでは、ダンジョンが複数あると、需要が分散し、夕暮市の復興に邪魔だ。ケイとジャズはECBの敵として再びダンジョンを攻略する旅に出る。
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