エピローグ

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エピローグ

 それから一年と三日後。  一人の男が花屋を訪れ、注文していた花を受け取った。彼はその花を携えて、かつては彼の下で副社長をやっていた友人のもとを訪れた。 「やあ、久しぶりだね」  彼は持って来た花を置きながら話しかけた。 「こっちは順調だよ。君の後任者達も随分と成長して、僕も以前より楽ができるようになった。そうそう、あれから、NAVYを使った健康管理事業にも乗り出してね。そっちも極めて好評だ。もういっそ首相もNAVYにやらせた方が良いんじゃないか、なんて冗談も言われるくらいだよ」  彼はそこで、ふっと寂しそうに笑った。 「……もしあの時、NAVYの判断に従わず君があのまま副社長を続けていて、何の引き継ぎも事前準備も無くこんな風に突然死なれていたら、その時点で社内は混乱、株価は低迷で、とてもこうはいかなかっただろうね」
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