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インターホンを鳴らすキング。
すると、金色の首飾りに金色のピアスを付けた白いローブを来た坊主の男が出てきた。
「ごきげんよう。何か事件でもございましたか?」
ホリディとキングの制服を見て、警察だと悟った。
「ブラセル・ソマード?」
ホリディが尋ねる。
「いかにも、「O」の三代目教祖ブラセル・ソマードです」
出迎えてきた男がブラセルのようだ。
「南入星検問所で、火星人が殺される事件があった。該者の傷跡が「O」の信者を証明する短剣による傷と判明した」
キングが、ここまで来た経緯を説明した。
「なるほど、私たちを疑っていると?」
「まぁ、そうなるな」
「…どうぞ」
ブラセルは、不適な笑みを浮かべ二人をアジトへ入れた。
ブラセルを先頭に、アジトの中を進んでいく。
建物の外装とは裏腹に西洋風のロビーが広がっていた。玄関の目の前には大きな階段があり、二階に繋がっていた。一階は窓も部屋も無く階段だけの不気味な空間が広がっていた。緑のカーペットが二階まで繋がる階段に敷かれている。
そのまま、二階に進む三人。人類の進化過程のレリーフが彩られたドアが5つあり、階段を上った先にある電光掲示板にはホモサピエンスの絵画が映されていた。
「本当に人類を崇拝しているんだな」
ホリディが映し出された絵画を見ながら言った。
「えぇ、素晴らしい絵ですよ。この絵には神の描写が無い。さぁ、こちらへ」
ブラセルはそう言い、第一形態のサルのレリーフが彩られたドアを指紋認証で開いて、ホリディとキングを部屋に入れた。この部屋も同様に窓がない。ソファーが向かい合わせに置かれ、真ん中には緑色のテーブルクロスの掛かった円形の机が置かれていた。
部屋の端にはドリンクバーがあり、近未来と中世が混在している異様な空間だった。
「どうぞ、掛けてください。コーヒー?それとも紅茶?」
ブラセルがドリンクバーの前に立ち、二人をもてなそうとする。
「気遣いどうも。大丈夫だ」
キングがソファーに腰を下ろしながら断った。
「アイスコーヒー、ブラックで」
ホリディは、コーヒーを注文した。
「喫茶店じゃないんだぞ」
「いいじゃないの、喉乾いたんだよ」
「分かりました。コーヒー好きの友人がいましてね。近くに来た時は分けてくれるんですよ」
ブラセルがアイスコーヒーのボタンを押すと、コップに自動で注がれる。
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